Illustrator 透明効果【分割・統合プレビュー】透明のチェック方法です。
前回、Illustrator 透明効果【データ入稿時の基本設定】の続きになります。
イラストレーターのドキュメント上に配置されている、透明オブジェクトを確認したい時は、分割・統合プレビューを使えば、簡単にチェックする事が出来ます。
以下、操作画面はイラストレーター CS3 Mac版になります。
分割・統合プレビューの使い方
透明オブジェクトを確認したいドキュメントを開いたら、最初に分割・統合プレビューパレットを開きます。
メニューの、ウィンドウ/分割・統合プレビューをクリックして下さい。
分割・統合プレビューが開きました。更新をクリックします。
すると、ドキュメントがプレビュー出来るようになります。次に右上にある、ハイライト:なし(カラープレビュー)をクリックします。
メニューが選択出来るようになりますので、透明オブジェクトを選択して下さい。
赤い色に変わったオブジェクトがありますね。これが透明効果が適用されているオブジェクトです。ドキュメントを入稿する場合などは、透明の設定や適切な分割・統合を行う必要があります。
データを印刷会社に入稿する場合、透明オブジェクトの扱いは各社ごとの環境によります。
透明に関するドキュメントの設定方法は、入稿先の出力環境によって違います。場合によっては、データの透明オブジェクトを手動で分割・統合しなければなりません。
次に、チェックした透明オブジェクトを、分割・統合してみます。
ラスタライズと透明部分を分割・統合の違い
手動で透明オブジェクトを変換するには、透明の分割・統合を行います。似たような機能として、ラスタライズがあります。ややこしいので、違いを見てみましょう。
ラスタライズの場合
透明とドロップシャドウを適用したオブジェクトです。試しにラスタライズしてみます。
オブジェクトを選択して、メニュー効果/ドキュメントのラスタライズ効果設定をクリックします。
ラスタライズ(画像化)されました。オブジェクトは一枚の埋め込み画像に変わります。
透明部分を分割・統合する場合
同じ透明オブジェクトに今度は透明部分を分割・統合を実行してみます。
オブジェクトを選択したら、メニューオブジェクト/透明部分を分割・統合をクリックします。
透明部分の分割・統合が行われました。
先程のラスタライズとの大きな違いは、オブジェクトの一部分のみがラスタライズ化される点です。オブジェクトのグループを解除してみるとよくわかります。
グループを解除して、バラバラにしてみました。
ベクトル領域とラスタライズ領域に分割されているのがわかります。
基本的にはベクトル(パスを保持)を保ったまま、不透明度が100%に変更されます。ドロップシャドウの影部分など、どうしてもベクトル化出来ない部分だけが、ラスタライズ(画像化)されて、埋め込み画像に変換されています。
透明部分を分割・統合のほうがデータが軽い
ラスタライズだと、オブジェクト全体を画像化するので、どうしてもデータ的には重くなります。
以下は、透明ドキュメントの扱いの違いによるデータの重さの比較です。
先程のデータですが、何も処理しない状態だと、1.8MBです。
全ての透明オブジェクトを透明部分の分割・統合を行うと、2.2MBに変わります。全ての透明オブジェクトをラスタライズすると、2.8MBと、0.6MB程増えています。
又、バージョンをVer8まで、ダウンさせて保存すると、桁違いに重くなります。
まとめ
透明が含まれるデータを入稿する際の設定は、印刷各社のテクニカルガイドに従って下さい。
透明オブジェクトを手動で分割する場合は、透明部分の分割・統合を行います。
分割・統合プレビューで最終チェックを行い、赤いオブジェクトが無くなったら完了です。
以上、透明オブジェクトのチェック方法と透明部分の分割・統合の方法でした。
(おわり)
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