illustratorのデータを、印刷入稿用PDFに変換する手順です。
PDFとは、Potable Document Fomatの略称になります。OSやアプリケーション、フォントなど開く環境に依存しないで同一な表示が出来るため、多方面で使用されているファイルフォーマットですね。
PDFは、校正や入稿用のフォーマットとして印刷用途に広く利用され、PDF入稿に対応している印刷会社も増えています。印刷入稿用のPDFは、印刷に適切なプリセットを使って変換する必要があります。イラストレーター形式のファイルをPDF-X形式に変換する手順を見てみましょう。
以下、操作画面はイラストレーター CS3 Mac版になります。
イラストレーター形式ファイルのPDFへの変換方法
イラストレーター形式のファイル(.ai)は、簡単にPDFファイルに変換する事が出来ます。最初に、イラストレーター上で普通に.aiファイルを開いてから、別名で保存を選択します。
メニュー、ファイル/別名で保存を選択します。
ショートカットキー 【comand】+【shift】+ S
別名で保存ダイアログが開きます、フォーマットをクリックして、Adobe PDF(pdf)を選択します。
Adobe PDFを保存ダイアログが開きます。一番上にあるプリセット【Illustrator 初期設定】の部分をクリックします。
複数のプリセットが選択出来るようになります。(注:一番下の、graphic PDFX1a 1.0は後から私が追加したプリセットなので、イラストレーター初期設定には含まれていません)
印刷入稿用に適したPDFは、PDF/X-1a.2001か、PDF/X-4.2007になります。それぞれの特徴を見てみましょう。
PDFプリセットの違い
PDF/X-1a
アドビPDFバーションは、1.3です。
PDFバージョン
PDFは開発された時期によって、異なる形式のバージョンが存在します。バージョンによってPDFの機能に違いがあり、開けるAcrobatのバージョンも異なります。最新バージョンは、PDF1.7、Acorobat8です。(2016年6月現在)
PDF/X-1aは、現在、印刷入稿用PDFとして最も一般的に利用されているプリセットです。
PDF/X1-aの主な特徴
- フォントの埋め込みが可能(例外フォント有)
- 添付画像も全て埋め込まれる
- カラーはCMYKと特色を使用
- 透明には対応していない
PDF/X1-a形式で実際に印刷会社に入稿する時は、会社によっては自社専用の設定ファイルを配布している場合がありますので、変換前に各社のテクニカルガイドをご覧下さいませ。
例えば、24時間年中無休の安心サポート「印刷の通販 グラフィック」でPDF入稿する場合は、grahic PDFX1aという設定ファイルをダウンロードして、イラストレーターにインストールする必要があります。【説明関連記事】印刷通販 グラフィック・その1 【登録とPDF入稿の準備】
保存したPDFデータが正しく変換されたかどうかを確認するには、Acrobatのプリプライト機能を利用してチェックします。【説明関連記事】グラフィック・その2【データの制作とPDF変換】
PDF/X-4
アドビPDFバーションは、1.4もしくは1.6です。
PDFバージョンの違いPDFに変換したイラストレーターのバージョンによって、PDFバージョンが異なります。イラストレーターCS3からCS5までが、PDFバージョン1.4。イラストレーターCS5.5からPDFバージョン1.6にて変換されます。
PDF/X-4は、PDF/X1-aからPDF/X-3を経て策定された、次世代の印刷入稿用のプリセットです。Adobe PDF Print Engineが搭載されたRIPで処理することが可能な印刷会社が、PDF/X-4形式での入稿に対応する事が出来ます。
PDF/X-4の主な特徴
- 透明効果を保持したまま作成
- レイヤー機能も維持
- RGBにも対応
今後は、PDF/X-4形式での入稿が可能な印刷通販会社が増えるでしょう。
PDF/X-4形式での入稿用PDFを制作する場合も、利用する印刷通販各社のテクニカルガイドをご覧下さい。PDFに変換するイラストレーターのバージョンごとに設定の方法も若干違います。(例)イラストレーターCS3(Illustrator CS3)|PDF保存時の設定について(PDF/X-4)・吉田印刷所
最小ファイルサイズ
PDFをWeb表示用に最適化してくれるプリセットです。印刷の校正出しなどに便利です。
最小ファイルサイズの場合、印刷用PDFと違い、データサイズはかなり小さくなります。
印刷向けのPDF/X-1aの場合、カラー画像のppiは300〜400ppiですが、最小ファイルサイズで保存すると、100ppiに押さえられます。
一般的な名刺のデータをPDFに変換して、サイズを調べてみました。PDF/X1-aの場合は、688kb。最小ファイルサイズは90kbと大幅に圧縮されています。最小ファイルサイズは、軽いデータなのでメールなどの添付データによく利用しています。
PDFファイルを開くには、Adobe Reader(無料)が必要ですが、Macの場合だとバンドルアプリのプレビューでも開く事が出来ます。
以上、イラストレーター形式のファイルをPDFに変換する手順とプリセットの違いでした。
PDFへの変換はイラストレーターで行えますが、データをチェックするにはAcrobatが必要です。
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